そろそろきみは、蹴られてくれ。
もし、わたしも気持ちを伝えたら。
付き合うことになるの? 付き合うって何?
こんなに悩んでいるのだから、もし仮に認めたとしても──付き合うことなんて、できないよ。
ほんとうのことなんて、言えるわけない。
……どうしよう。
わたしは、どうしたらいいんだろう。
「紗奈ちゃん?」
聞きたくて。聞こえたくない。声が。降ってくる。
「起立、だよ」
いちばん後ろの席。橘だけが気がついた、わたしのこと。
起立。まったくもって、聞こえていなかった。