それ以外の方法を僕は知らない
「…急いだほういい?」
「んー、行ってチケット買ったらすぐくらいかなぁ」
「ちょっと職員室行っていい?1分でおわる」
「うん、いいよ」
「…どーも」
彼はそう言ってリュックからヘッドホンを取り出すと、首にかけるようにして席を立った。
…首か耳にヘッドホンの重みを感じていないと落ち着かないのかもしれない。
よっぽど愛着があるものなんだなぁ…なんて考えながら、流れるままに彼の後に続き教室を出る。
職員室に何の用事があるのか気になってさらりと聞くと、どうも国語科の旭(あさひ)先生に用があるらしかったので、「そうなんだ」と言って詳しい内容までは聞かなかった。