銀色ハウスメイト



振り返ったのは、手を掴まれたから。


何度も知ってる手。


振り返らなくても誰だかなんて分かったけれど、。




「……桜井くん?」


「なんでお前、帰ろうとしてんの」


「…んん?」


「ハルと話してたら、あいつらと俺らで回ることなってるし、お前帰るし…、は?」


「……えーっと…?話聞いてなかった感じですか、もしかして」


「うん。……まあ、もう分かった」




……さすがとしか言いようがないよ。

桜井くんって人の話を聞かない癖がある。


分かったなんて、桜井くん以外みんなちんぷんかんぷんなんですが───…






「悪い。今日はお前らとまわんない」






桜井くんが桜井くんの友達に言った言葉。






「こいつと一緒に来る約束してるから」






こいつ、はわたしのこと。


桜井くんは「じゃあな」と言うとわたしの手を掴んだまま、歩き出した。


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