どうして・・

···いつ裏切られるか


翌朝、何とか起きて
シャワーを浴びて
冷蔵庫には、何もなかったので
着替えてから
早めにでた。

途中のコンビニで軽く食べて
会社に出社した。

無断欠勤をしていると
思っていたが
父親が連絡してくれたようだ。
申し訳なく思う·····。。。

更衣室に入ると
ジロジロ見られたり
ヒソヒソ話されたり
肩身が狭く感じたが、
部署に行き
主任、係長、課長に頭を下げた。
課長より
「こっちに来い。」
と、言われて会議室に連れて来られた。

会議に入ると、また
「ご迷惑をおかけしました。
そして、みっともないことを
したと思っています。」
と、頭を下げた。

今は、会社になんとしても
残らねば。その思いだけだった。

主任も係長も課長からも
批判や嘆きを言われた。

花嫁さんのあの顔を忘れることが
できないと蔑まされた。

何と言われても、仕方ない。
自分のやった事だ。

係長から
「もう、ここには
お前を援護するやつも
お前の事を目にかけるやつもいない。
みな、お前とは一緒に働きたくない
と、言っている。
いつ裏切られるか、わからないからと。
お前は、来月一日付で
« 北海道電力内発電所勤務を命じる »
辞令がでている。」

課長からは、
「川本さんの顔を立てたつもりだ。
お前は、仕事の出来る奴だと
思っていた。
女で、ダメになるとは
本当に情けない。
お前は、同僚を始め上司の俺達
そして、自分の父親に対して
どれほど、落胆させ、失望させたか
自分自身で味わう事だな。」
と、言われた。

俺は、歯を食いしばり
たえるしかなかった。

三人が会議室から
出て行くときに
主任から
「支払いが色々あるそうだな
総務に掛け合え。
嫁さんになるはずだった女性に
精神誠意の事をしろ。
お前に出来るただ一つの
償いだ。」
と、言われた。

俺は、深く頭をさげた。
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