どうして・・

···今更ながら後悔


あの日、電話に出なければ···
会社の外で待つ美春を
放置して帰っていたら····

なんども、思った。
だが····
見捨てる事が出来なかった。

そんな···
情けない自分に飽きれながら····

自分の机の回りを片付け
部署を出るときに
頭をさげてでた。

誰も俺の事を気にしていない
誰からも声すらかけてもらえなかった。

そのまま、総務に向かう。
総務でも、冷たい視線や
バカにするような目を向けられる。

それでも話すしかなくて
退職金の前借り見たいな形で
この年で最高額の
700万円を借りれる事になった。

これでは、彩羽への支払いは、
できない。
銀行にも行き相談する。

北海道の異動まで、後10日

会社からお金は、
4日、5日で入ると言われた。

俺は、その足で
銀行に向かい
銀行から審査をされて
800万円を借りれた。

これで、彩羽と日垣のご両親
池谷さんの支払いはできる。

式のキャンセル料を
両親には申し訳ないが
200万円を支払い
奥菜先生への弁護料は預金でなんとかなる。

家具・家電を購入したりしたから
預金はわずかだが·····

北海道では寮に入る。
手続きも済ませた。

今後は、銀行への支払いと
会社の分は手引きとなる。

慎ましい生活をすれば
何とかやっていけると思い
その足で、マンションへと戻る。

マンションには、美春の姿はなく
本当に仕事を探しに行ったのかと
部屋の中は、ぐちゃぐちゃ
ベッドの上は、昨夜のまま
洗濯も掃除もしていない。

俺は、洗濯機を回して
買い物にでる。

どうして·····
ただ、ただ、
その思いに行きつく······

会社の人達の····目·····
係長の言葉······
課長の言葉·····
主任からの言葉·····

総務に言われた言葉·····

どれも···にがいもので···苦しかった····

近くの公園のベンチに腰掛け

ぼぉ―っと·······

どのくらい、そうしていたか
夕陽に照らされていた。
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