どうして・・

···やけ酒と気持ち


新との友情を楽しんで
半年が過ぎた時

新から飲みの誘いが来て
明日は休みだからと思い
言われた場所に行くと
新は、かなり酔っていて
「あっ、彩羽、ここっ」
「新、どうしたの?
   こんなに酔って。」
「えっ、いいじゃん。
   さあ、彩羽も飲め。」
「はぁっ、わかった、わかった。」
と、言いながら注文をして飲む

新も引き続き飲んでいたが
明らかに飲み過ぎで
何度もこぼすし
呂律も回っていない
「新、もう帰ろ?」
と、言うと
「まだ、帰らない」
と、言う新をほって
会計を済ませて
無理矢理連れて店をでる。

「帰らない。」
と、文句を言う新を
無理矢理タクシーに乗せると
また、新は寝てしまい
仕方なく私は新を
自分の部屋に連れて行った。

新は、時々、目を開き
「彩羽の部屋?
じゃ、宅飲みしよう。」
と、騒いでいる

何とか部屋まで連れて行き
新をソファーに座らせ
水を取りに行く
「新、水飲んで」
と、渡すと
新は、私の手首を引き
「きゃっ」
と、水を溢しながら
私は新の胸にダイブする。

すると、新は
「ごめん、彩羽。少しだけ。」
と、言って私を抱き締めた。

ドキドキと心臓が煩くて
仕方ないが、新の思うようにさせながら
「新、何かあった?」
と、訊ねると少しして呂律が
回らない中····
「···実は、SNSで美春をみたんだ。」
「美春?そう。
あっ、そうだ、新、美春と
どうなってるの?」
と、訊ねると
「彩羽は、しらないのか?」
「何を?」
と、言うと
新は、美春と別れた話をした。

友人の美春を庇いたくても
新から聞いた話は酷く
私は、びっくりした。

だって、新と美春は
ずっとラブラブで
このまま、仕事が落ち着いたら
結婚すると思っていたから

大学の仲間も皆そう思っていた
と、思うが····

美春は、一方的に別れをつげ
すぐに別の人と結婚したと。
結婚相手は、社長さんで御曹子とか
「あいつは、俺より金持ちに
靡いたんだ。」
と、怒る新。

そんな美春の式に出席した
友人が式の一部を投稿したらしい
記念日とかで。
おめでとうのコメントが入って
いた·····と。

美春は、私を呼んではくれなかった。
友達だと思っていたのは
私だけだったのだろうか
何も知らなかった
私は······
「飲もう、新」
と、言って
二人で宅飲みに謳歌した。

喉の乾きで目が覚め
あっ、あったまいった~い
と立ち上がる
足元をみて
「ぎゃっ」
「うるっさ」
の声に振り向くと
裸の新···が·····
「きゃ~っ、あっあっ、あらた?」
「いろは···エロ」
と、言う新に
「ええっ」
と、騒いでいると
「覚えてないの?」
「············ウン····」
と、言うと
手を引かれてチュッとされて
「すご~く、可愛かった」
と、耳元で囁かれて
真っ赤になる私は、
慌ててお風呂場に逃げ込んだ。

しばらくして
リビングに行くと
新は、座って携帯を見ていた
「ごめん、新も
シャワーしたかったよね。
良かったら、どうぞ。」
と、言うと
「ありがとう。
今日は、帰る。
次の時は借りても良い?」
「えっ、次?」
と、真っ赤になっていると
「俺は、これで終わりたくない
と、言う意味なんだけど。」
と、頭をかきながら
恥ずかしそうに言葉を繋ぐから
「······うん、宜しく·····」
と、返事をすると
「良かった····」
と、ホッとした顔をして
「気持ちを伝える前に
飲んだ勢いで抱いたりしてごめん。」
と、言ってくれたから
頭を横にふると
フワッと抱き締めてくれた新。

「今日は、帰るな」
と、言って新は帰って行った。
< 5 / 96 >

この作品をシェア

pagetop