どうして・・

···恋愛に向いてない


理恵さんに高田さんの燕尾服姿
素敵でしたよ
と、報告すると
「嫌な顔されたらどうしょう?」
と、今になって心配されていた。
本当に可愛い方だ。

少しすると照明が落とされ
少し高い位置に
高田さんと律。
チーロとグレースが並び
挨拶をした。

高田さんの姿に
涙を流す理恵さん
そっと涙を拭いてあげる。

どれだけの想いがあったのだろう
と、胸が痛くなった。

四人の挨拶が終わると
四つに別れて会場を回る。

怜さんと怜さんの事務所の所長さんが
おばあちゃまに挨拶に見えて
怜さんも私の瞳を見て驚いていた。
所長さんからは
抱き閉められて
「大変でしたね。」
と、言われたから
「恋愛に向かない人間なのだと
思います。」
と、言うと
「そんな事は、決してありません。
運命の相手に出会えてないだけ。」
だと言って貰えて
可笑しくなりクスクス笑ってしまった。
すると、怜さんが
「あのバカ、まだ····」
と、言っていたから
またまた、可笑しくて笑ってしまった。

怜さんも所長さんも
理恵さんに気づいて
「こちらの美しい方は?」
と、言われて
「友人です。」
と、答えると
理恵さんが二人に
頭を下げている·····と

「テア様、本日は
御越しいただきまして
ありがとうございます。」
と、高田さんが挨拶に見えた。
おばあちゃまは
「良い会社を作りあげなさい。」
と、言い
「あっ、高田さん
紹介しておきましょう
彩羽の友人の方を」
と、言うから
私は、理恵さんの手を引いて
ゆっくりと高田さんの前にでると

高田さんは、
「シェーン・ビューロの
高田と申します。」
と、頭をあげる·····と······
「·····り·····え·····っ····?」
と、言うと
理恵さんの瞳からポロポロと
涙が落ちていく
その姿を見て
高田さんは、理恵さんを抱きしめ
「ごめん、あの時は。
本当にごめん。
どんなに後悔したか····わからない。」
と、言うと理恵さんは高田さんの
胸の中で首を横にふっていた。

高田さんは、私の顔を見たから
「ごめんなさい。
でしゃばった事をして。
でも、高田さんに理恵さんを
会わせてあげたかった。
律の事を沢山心配してくれる
高田さんに幸せになって欲しかったから
だから、日本にいる
私の大切な方にお願いして
理恵さんを探して貰いました。」
と、言うと
高田さんは、びっくりしていたが
理恵さんが
「奥菜さんと言う方から
連絡頂いたの。
その後に彩羽さんからメールを頂いて。

あなたが、敏也さんが
私に気持ちがあるはずないと
何度も考えたの
だけど、一目でよいから
敏也に会いたかった·····」
と、言うと高田さんは、
瞳に沢山の涙をためて
「俺も会いたかった。
だけど、もう、会っては貰えないと」
と、言って理恵さんをもう一度
抱きしめた。

感激して泣いている私に
「涙でキラキラしているよ、瞳が···」
と、律が抱きしめながら
「ありがとう。先輩の為に。」
と、言うから
彩羽も律の胸の中で首をふる

怜さんが
「律、まだ、彩羽さんを恋人に
できてないのか?」
と、言うから
「そんな簡単に行きませんよ。
どれだけ、彩羽を傷つけたか
わからないのに。」
と、言うと
「テア様が、良い人を
彩羽さんに紹介すると言われていたぞ。」
と、言うから
私も律も
「ええっ?」
「テア····さま·····」
と、言うと
おばあちゃまも怜さんも
怜さんのとこの所長さんも矢島さんも
高田さんと理恵さんも笑いだした。

おばあちゃまが
「律、そうなりたくないなら
所長に変わって
あちこちに挨拶してきなさい。」
と、言うから
「ええっ、俺も彩羽といたい。」
と、律が騒いで、またまた
皆で笑いながら
おばあちゃまから
「それなら、彩羽も連れて行きなさい。」
と、言われて
律と一緒に会場へ
挨拶に回った。

もちろん
高田さんと理恵さんには、
「ゆっくり、話してくださいね。」
と、言って。
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