どうして・・

···沢山


20時には、
滞りなくパーティーも終わり
皆、会場を後にした。

今日は、高田さんも
おばあちゃまのお宅に泊まる。

燕尾服から
律の服を借りて。

高田さんが理恵さんの着物姿を
べた褒めして大変だったが
いつも冷静な高田さんの
知らない顔が見れて
嬉しかった。

律は、改めて
理恵さんに挨拶をしていた。

鼻の下をのばして。
だから
「理恵さんみたいな
日本人形のような
綺麗な人を探したら?」
と、言うと
慌てて言い訳するから

高田さんの部屋を矢島さんに
案内を頼んで
自分の部屋へと戻った。

理恵さんと高田さんには
「ゆっくりお話しして下さいね。」
と、伝えて。

明日は、事務所はお休みと
なっていたから·····

二人に幸せになって貰いたい
と、心から願っていた。

部屋に入ると律が追って来て
後から抱きしめながら
「そんなに、俺が嫌?
他の女性に目を向けたら
と、思う位に。」
と、悲しそうに言うから

そんなつもりで···
言った···の··では···なく····

それなら····

どんな···つもり····で··

理恵さんは、本当に綺麗な人だけど

他の女性に対して
鼻の下をのばしながら見る律に
頭に····きた····?····

それは····どう···し···て····?····

私が答えないのを
肯定ととった律は

「やはり·····
許しては貰え····ないん····だね。
彩羽の心には····
俺は·····入れ·····ないんだ·····」
と、言いながら私の部屋を
出て行こうとする律······に···········

「バカっ!
そんなに急がないでよ。
自分でも自分の気持ちに
今、気づいたんだから。」
と、泣きながら言うと
律は、小首をかしげながら
振り向いて
「それって····どう···いう····意味?」
と、訊ねられたが····

返事に困っていると
「彩羽?いろはっ、大丈夫?」
「あっ、うん。うん。」
「彩羽、訊いても良い?」
と、律に言われて頷くと
「彩羽は、俺の事、少しは好きに
なってくれた?」
と、言う律に
首を横にふると
「やはり·····」
と、下を向く律に
「少しじゃない······沢山····。」
と、伝えると
律は、はっとして顔を上げて
私を抱き締めた。
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