どうして・・
じゅうろく

···告白


敏也は、動揺する気持ちを抑えながら

「理恵、あの時は本当にすまなかった。
自分の奢りに何度後悔したか·····

だが、理恵に啖呵をきった手前
実績をあげないとって躍起に
なっていた。

だが、それは間違い····だよな····

幾ら実績を積んでも
理恵が、俺以外の誰かに
気持ちを寄せたら····
終わり·····なんだ····

それを今になって気づくなんて。
バカだ····俺は。
だけど····理恵は、どうして?」

「敏也に、棄てられて
悲しみにくれる毎日で·····
もう·····忘れよう····
こんな苦しみから解放されたいと
思うけど·····思えば思う程
敏也との幸せな日々が思い出されて。

告白してくれた人とも、
付き合ってもみたの·····
心配する両親の為にお見合いもした。

だけど、誰にも気持ちが行かなくて。
職場も住まいも変えて
心機一転·····した····

もう、敏也とは関わることはないの
だからと。

そんなときに奥菜さんと言う方が
幼稚園に見えて
彩羽さんのお話をきいたの。

良くわからずにいたら
彩羽さんからメールをもらって
敏也の事が書いてあった。

もう、忘れようと思っていたから
返事返せなくて。

でも、先に進む為にも
もう一度、敏也と会って····と·····
でも·····嘘···
私が····あなたに····
会いたかった·····だけ····」
理恵の涙を指で払いながら
抱き締めて
「理恵、こんな俺だけど
もう一度だけ、チャンスをくれないか?
俺は、今でも理恵を愛している。」
と、言うと
理恵の体はビクッとしたが
少しして
「本当に····私で良いの····?」
「ああ、理恵が良い。理恵だけが良いんだ。」
「うん、うん。良かった。
敏也を忘れなくて。
私も···愛してるの·····
だから·····側に····いて。」
と、言うと敏也は
理恵っ····理恵っ····
と、何度も名前を呼びながら
沢山キスをした

離れたいた分を取り戻すように
二人は、抱き締めあった。

敏也に沢山抱かれて
理恵は、体がつらかったが
心は満ち足りていた。

こんなに好きになる人には
もう、出会うことはない

理恵がそう思っていると
敏也がぐっと理恵を抱き締めて
「りえ·····あいして···る··」
と、言ったが本人は寝ていて
理恵は、クスクスと一人笑った。

彩羽さんのお陰だ。
そして、奥菜さんも。

理恵は、再び睡魔に襲われて
瞳を閉じた。
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