どうして・・

···二組の結婚


律と彩羽は、テアに報告して
「出来たら、直ぐにでも結婚したい。」
と、言う律にテアは
「律、落ちつきなさい。
まずは、彩羽の両親に挨拶が
あるでしょう。
いくら私の娘夫婦でも
彩羽を心から愛している
二人だから。
きちんと挨拶してからだよ。」
と、言われて
しゅんとなる律が
可愛いやら嬉しいやらで
彩羽は、笑っていた。

律もテアも彩羽のこの笑顔が
とても好きだった。

律は、彩羽を抱き締めて
彩羽のグリーングレーの瞳が
キラキラと輝いて美しい
その中に自分が
写っていることに堪らなく
幸せを感じていた。

丁度そこに高田と理恵も降りてきて
手を繋いだままの二人に
たまらない気持ちになる彩羽だった。

理恵が
「彩羽さん、
本当にありがとうございます。
彩羽さんが居なかったら
敏也とは会えていませんでした。
そして····
テア様、面識もない私を
お招きくださいまして
ありがとうございました。」
と、頭を下げるから
「お二人が幸せになって頂ける
ことが喜びです。
ねぇ、おばあちゃま。」
と、言うと
「ああ、理恵さん、高田さん
本当に良かった。
おめでとう。」
と、おばあちゃまが言うと
二人は頭を下げていた。

私達は、五人で食事をしながら
話をした。矢島さんもエマも
とても喜んでくれた。

「で?二人ともどうするのかな?」
と、おばあちゃまに言われて
高田と律が二人同時に抜けるのは
無理だから····と
彩羽が
「高田さんが先だよ。
きちんと理恵さんのご両親に
ご挨拶して下さい。
理恵さんは、
あちらで仕事をしているから
それをきちんとしないと
一緒には、暮らせませんよ。」
と、言うと
二人は、
「ありがとう」と、言い
明日、高田は仕事の調整をして
明後日、日本に帰国する。

二人とも、その日の内に
それぞれの両親に連絡をすると
どちらのご両親も
息子も娘も結婚しないのでは
と、諦めていたようで
それは、それは喜んで
「結婚してくれるなら
どこででも暮らしなさい。」
と、言ってくれたらしい。

二人は、顔を見合わせて笑っていた。

本当に良いカップルだと
彩羽もテアも思っていた。

「良いカップルだなって
思っている場合じゃないよ、彩羽。」
と、律が言うから
私が目を白黒させていると
おばあちゃまが笑いだして
理恵さんも高田さんも笑っていて
私だけが真っ赤になっていて
「うちの両親が、いつくるのか
ってうるさいんだから。」
と、言うから
「律、いつご両親に話したの?」
と、びっくりして訊ねると
「昨日。」
と、言うから吹き出してしまった。
「もう、笑いごとじゃないよ。
俺は二度と誰にも彩羽を
取られたくないんだから。」
と、言うから
律を抱き締めて
「律、ありがとう。
私は、どこにもいかない。
律の側にずっといるよ。
出戻りみたいな私をもらってくれる
なんて、律位だから。」
と、言うと
「バカっ、出戻りじゃない。
俺は、純白のウェディングドレスを着た
彩羽を抱き締めてクルクル回して
あげるんだから。
俺の為にウェディングドレス
着てくれる?」
と、言う
きっと、私の精神面を考えて
きいてくれているとわかり
「一緒に選んでくれる?
ずっと手を繋いだまま。」
と、心配しながら訊ねると
「もちろん。
フィッティングルームにも
一緒に入るから。」
と、真顔で言うから
おばあちゃまは、呆れた顔をしていたが
私は、律の気持ちが嬉しかった。
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