契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
キューピットの矢
それから三日後…

神楽坂社長と睦月さんの赤ちゃんは胎内にこのまま留まらせておくのは感染症などのリスクの観点から危険と槇村先生が判断し、帝王切開で出産。
赤ちゃんは未熟児なので、直ぐにNICUの保育器の中に移された。

「お産って何があるか予想がつかないな…」
その話を訊いた俊吾は私の大きく膨らんだお腹を 心配そうに摩った。

「今の所大丈夫だから…安心して…俊吾」

「本当に大丈夫なのか?杏南、仕事の忙しい俺を心配させまいと隠してるとか言わないでくれよ…」

「何も隠していませんよ…ねぇー黒崎さん」

「はい…」

「二人して…隠してるんじゃないのか?」

「・・・この黒崎…今まで一度も俊吾様に隠し事してコトはありませんよ…」

「お前…最近、ある女性のインスタに頻繁に訪れているだろ??」

「それをどうして??」

「俺はお前のスマートフォンに遠隔操作アプリを仕込んでおいたんだ…」

「それって…犯罪ですよ!!俊吾様」

「・・・俊吾…私の知ってる人??」

「知ってるも何も…杏南の総務部のお局様の香川さんだ…」


「えぇ~っ!!?」

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