契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「大丈夫ですか?」と黒崎さんには凄く心配され、眩暈に利くと言って、シジミの味噌汁を作ってくれた。

「本当に突然このようなコトになってしまい、申し訳ありません。杏南ちゃん」

「…私しか頼める人はいなかったでしょ?黒崎さん」

「えぇ、まぁ・・・」

私は先にシジミを完食し、残った味噌汁を飲み干した。


そして「ご馳走様でした」と合掌。

「俊吾様は優しかったですか?」

「えっ?」
黒崎さんの言ってる質問は初夜のコトだよね…
黒崎さんは俊吾さんに身も心も捧げた雰囲気の忠実な執事。

「結構、女性を無体に扱う人ですから…」

「あ…そうなんですか?」
何もなかった言えば、どう言うだろう…
「知りません?巷では『氷の御曹司(アイスプリンス)』と呼ばれていて、女性関係に関してはドライな人ですから」

まぁ、確かに結婚=契約で、結構ドキドキしてる私に比べて、女性の扱いには慣れた感じ。
それなりに私との約束を吞んで、大切にはされている雰囲気は出てるけど、彼の中ではある程度、計算された行動パターンに見える。それに踊らされている私は単純なのかもしれないが。
でも、意地悪な彼の言動は玉に瑕。それに、五ヵ月以内に妊娠してくれと言われても。
赤ちゃんは天からの授かり物だし。何よりも、そう言う関係になるまでのプロセスが・・・
それに私は…
「まぁ、ドライだけど…俊吾様なりに、愛そうと努力はされているようですね…」

「でも、私は代役の花嫁で…仕事だってあるし。
彼の次の誕生日までに妊娠するのは難しいです」

「浩平の話では…今でも俊吾様のコトを…だから…彼氏が出来ないんだと言ってましたけど」

黒崎さんも俊吾さんと同い年。浩平兄とは途中で高校からアメリカに留学した俊吾さんよりも仲がいい。

「黒崎さん、浩平兄とグルでしょ?」

「えぇ、はい…相手の亜優様に恋人が居るのをいち早く察知したのはこの私で。
挙式当日にドタキャンする可能性もあると読んでいました。そのコトを浩平に相談したら、杏南ちゃんを代役にすればいいと…アドバイスを貰って」

私は深い溜息を吐いて頬を膨らませた。
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