契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
まさか、この俺が花嫁に逃げられるなんて想像もしなかった。

結婚は二人の門出だと言うが、その門出でパートナーに逃げられるなら、もう少し真剣に彼女と向き合うべきだったと後悔した。

俺は工藤家の控室に足を運び、父親の工藤社長から詳しい事情を訊いた。

相手は社長秘書の男性。
二人の仲は秘密裡で、工藤夫人も知らなかったと言う。

俺は肘掛椅子に腰を下ろし、黒崎が戻るのを待った。

黒崎が連れて来る代役の花嫁はどんな女性だろうか。

俺はその女性に自然と興味が湧く。

こうなるコトが運命なら、彼女こそが俺の運命の相手なのかもしれない。


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