泣いた朝
泣いた朝

泣いた朝

朝、起きると、涙が零れていた。

特に何もなかったし、
いつも通りの毎日である。

そう思いたい。思えない。

気持ちがコントロール出来ず、
ただただ涙が零れるだけ、

そうなってしまったのは多分あの日、
彼を失った日から


(「おはよう!」

朝から元気よく部屋に響く声、

私は驚きと嬉しさで顔が赤くなった。

そして私も彼に負けないくらい

元気な声でおはようと言う。

そしてお互いに見つめ合いながら

何もない時がただ過ぎる。

その何もない時が私は好きだ。

彼「今日はお買い物に行くんでしょ♪
早く行こうよ〜♪」

私 「は〜い」


30分後

彼「さあ行こう!」

私「おー!」「ねぇねぇ何買う〜?私
スカーフが欲しいな〜」

彼「スカーフだなんてこの時期には
合わないだろ」

私「冬になって買うよりはいいでしょ。
あとは可愛いのがあるかも
しれないし!」

彼「もぅ〜仕方ないな〜いいよ!
買いに行こう!」


そうして彼は私の買い物に付き添い、

ランチも一緒に食べた。

やっぱり彼と食べるランチは美味しい





そして今日は彼の誕生日!

プレゼントも用意したし、

サプライズの 準備もOK

私「ちょっと目をつぶって」

彼氏「うん」

私「目、開けていいよ」

彼氏「おー!ショートケーキだ!」

私「前に好きって言ってたから…」

彼氏「めっちゃ美味そうじゃん!
ありがとう」

私「えへへ、じゃあ食べよう」

2人「いただきまーす!」

そうして今日も楽しく終わるんだ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私「ねぇねぇ今日さひさびさにカウント
レッド行ったら小学校時代の友達が
いてさー」
笑笑笑笑


そんな時、トラックがやってきた。

私は彼の顔しか見てなかったので

前に気が付かなかった。

おばあさんが横断歩道をゆっくり

歩き、横からトラック。彼は直ぐに

前に走り出した。おばあさんは無事

だったが、1つだけ。1つたった1つの

唯一無二の…私の…彼が…)

それから先のことはもう思い出した

くない。

思い出すだけで吐き気が襲う。



おばあさんを助けたからよかったのか、

それでよかったのか、わからない。

今は結婚して子供もいる。幸せでは

あるけれど、彼と分け合った幸せよりは

幸せじゃない。

忘れよう。

引越そうかな、ここに住み続けても彼を

忘れる事は出来ないから…

少し窓を開けよう。

朝の空気は冷たい。

娘「おはよう!」

私「おはよう」

娘「ママ抱っこ〜」

私「はいはい笑」






じゃあね。来世でまた会えたらいいね。




いや、会おうね。






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