兎の沈黙 うさぎのちんもく

「家族が3日間旅行でいないんだ
泊まりに来てよ!」


「は?
オマエ、バカじゃないの?」


「バカじゃないよ!名波よりは」


「いや、バカでしょ
そーゆーの男に頼まないだろ、普通」


「怖いから…
なんかあった時、男の人の方が頼りになるよ」


「意味不明」


「やっぱバカだね、名波」


なに、この、やり取り

増々暑くなる

逃げよ



「あっそ…
じゃーなー、アイス溶けるから帰るわ」


「待ってよ!見捨てるの?」


「うん」


「…」


え、なに?

また、その目で見るな


ドキッ…


え…

なに?泣きそうなの?

オレのせい?



「幽霊なんて、出ないだろ…
仮に出たら…
出たら、電話して…
すぐ行くから…」


「ホントに?」


「うん」


「じゃあ、電話するね」



出るわけねーし

とりあえず

逃れた



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