身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「じゃあ、行くか」
「あ、はい!」
まとめておいた荷物に近づくと、晴斗さんは「これで全部?」と訊く。
ボストンバッグひとつと、それに入りきらなかった細々したものを入れた手下げ、あとは普段持っているバッグの三つだ。
「はい。あ、私も」
「まさか持とうとしてる? ダメ。しばらくは荷物持ちは禁止。俺がいる時は何も持たなくていいから」
「え、でも」
「そうじゃなくても、お腹に三キロくらい常に抱えてるんだから」
さっと全ての荷物を手にし、晴斗さんは「わかった?」と微笑む。
それだけで顔が熱くなってしまい、「わかりました」と言いながら恥ずかしくて顔を俯けた。
お姉ちゃんに見送られて、産科の病棟をあとにする。
エレベーターに近づいた時、お姉ちゃんが「あの、成海先生」と晴斗さんに声をかけた。
「佑杏は、私の大切な妹なんです。私たちはもう両親を亡くしていて、姉妹ふたりきりで寄り添ってきました。だから、佑杏の幸せを誰よりも願ってます」