身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
なんて可愛いことを言うんだ。
どこか恥ずかしそうに言うところがまた堪らない。
腕を解いて間近で顔を見つめ、触れるだけの口付けを唇に落とした。
場所が場所だけに、これくらいで止めておかないとだめだと自制する。
「眠ってるな」
新生児ベッドを覗くと、俺たちの天使は静かに眠っていた。
指先でそっと頬っぺたに触れてみる。
小さな体はまだふにゃふにゃで、初めて抱いた日のことはきっと一生忘れないだろう。
「はい、少し前にやっと寝ました。オムツも替えて、お腹もいっぱいのはずなんですけど、上手く寝付けなかったみたいでぐずってて」
「そうか」
「なので、またいつ起きちゃうかわからないので、急いでお昼を食べようと思って」
「昨日は何回夜中起きたんだ?」
そう訊くと、佑杏はテーブルの傍らに置かれたノートを手に取る。
授乳やオムツ替えなどを記録している育児日記だ。
「昨日はだいたい二、三時間置きくらいですね。十一時、一時、三時半、そのあとは六時過ぎだったので寝れたほうです」