身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 時間の経過をたどって、先月の沖縄旅行を振り返る。

 あの、ひとり沖縄旅行から早くも一か月。

 当初はひとりで楽しめるのかと多少の不安を抱きながら空を飛んだけれど、結果思い出に残る楽しい旅となった。

 そんな風に思わせてくれたのは、あの旅行で出会った晴斗さんのおかげだと思っている。

 旅先で出会い、ほんの少しの時間だけれど一緒に過ごし、彼のおかげで孤独な旅行が一変した。

 最後はそっと静かに姿を消したし、もちろん連絡先もお互いに知らないため、会うことはもう二度とない。

 だけど、夢のような時間は確かに存在していた。

 素敵な思い出として、私の中でいつまでも生き続ける。


 沖縄、いつかまた行きたいな……。今度はいつ、行けるかなー?


 またコツコツ貯金をして、いつか沖縄を訪れたい。

 そんな楽しみがあるから、日々仕事を頑張っていけるのだとしみじみ感じる残業帰りの夜道。

 夕飯は簡単に済ませようと、冷蔵庫の中を思い浮かべた。

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