二択

あの人

あたしが翠から、彼氏を紹介されたのは、いつものカフェだった。

普段なら、二人でランチの筈なのに、翠の横には、男がいた。


大して男前ではなかったけど…。

「友達の有希」

と翠が紹介すると、すぐに席を立ち、頭を下げる態度と、


その時の優しげな瞳がとても印象に残った。

好印象ってやつだ。

体型はがしっりしていたけど、穏やかで物静かな性格は、彼氏彼女という二人の空間に、お邪魔なあたしがいても、あまり気を使うことがなかった。

今まで男運がなかった翠にやっと、幸せが訪れったように感じて、あたしは二人に微笑んだ。

< 131 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop