二択
彼の名は松木雄太。

誰よりも落ち着き、誰よりも優しい目をしていた。

穏やかな口調。

何かあると、

「ありがとう」

とすぐに、頭を下げた。

ほんの何気ないことで。

例えば、コップを取ってあげるだけで。

ありがとう、ありがとうと感謝の言葉を述べる。


菩薩のような人と、周りで言われていた。


そんな雄太のそばにいる翠はとても幸せそうで、

彼女が笑顔でいることが、多くなった。






そんな翠が、彼氏について衝撃的なこと告げたのは、

いつものランチ。

二人だけのときだった。

翠が昨日のデートを嬉しそう話した後、少し会話が途切れたので、

「松木さんって、お仕事何されてるの?」

あたしが何気なく質問した事が、のちの事件に繋がるのである。

「彼…無職なの」
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