【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)

そして、せつなげに、懇願される。

「きみを騙して『中谷 真人』になっていたのは悪かった。どうか……許してほしい。
そして、できればあんなウソくさくて偽善者のいけ好かない『中谷 真人』じゃなく……
本当のおれ……ありのままの『万里小路 直仁』を、好きになってくれないか……美々」


あら、「万里小路さま」から見た「中谷さん」って、そういうイメージだったんだ。

いやいやいや、そんなことより……


——こんなときに「美々」呼びは、ずるいぃー!


だけど……

こんなに心を解放している(まぁ、ちょっと明後日(あさって)の方向に爆走してはいるけれど)「万里小路氏」はきっと、レア中のレアケース仕様に違いない。

久城さんも華絵さんも、こんな直仁さんを見たら、泡食ってひっくり返るんじゃないのかな。


だから、あたしも……
(自分でもチョロいなぁ、と思わなくもないけれども)

彼に倣って、素直にならなければ——


「あたし……麗華さんがあなたの……『万里小路さま』の元カノだって知ったとき……
なんだか、心の中がモヤモヤっとしたんです」

あたしを抱きしめる直仁さんの腕の力が、少し緩む。

「麗華の前でも言ったとおり、あいつとは高校生の頃に付き合っていただけで、今は連絡も取り合ってない……信じてほしい」

それは、そのとおりだと思う。

『高校生のときにお互いのハジメテを捧げ合ったのは事実』らしいが……


——あっ、ダメだ。

その瞬間、今まで白かった心の中のモヤモヤが、一気に真っ黒に変わってしまった。


——ということは……

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