【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
Chapter ❹

後日、あたしはオフィスビルのライフスペースゾーン二階にある大橋不動産を訪ね、大橋氏に「報告」した。

「ということは……小林さま、ご結婚、おめでとうございます?」

初めて会ったときからずっと、淡々と業務を遂行していた彼であったが、いきなり挙動不審となった。そのうえ、カタコトの日本語だ。

——しかも、語尾が疑問形になってるし。

「はい、ありがとうございます」

あたしは丁寧にお辞儀をした。

「あの……万里小路(までのこうじ)さまとはまだ一度もお会いになってませんが……本当によろしいのですか?」

——あたしの記憶が正しければ、確かあなたが持ってきたお話でしたよね?

「はい、『よろしいのです』」

あたしはきっばりと返した。

「あちらさえ、こんなあたしなんかでよければ」

< 47 / 136 >

この作品をシェア

pagetop