贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚

悠樹は いつでも 私に優しい。


どんなに 仕事が忙しくても

家にいる時に 不機嫌な顔をしない。


私の行動に 反対したり 否定することもなく。

いつも 温かい目で 私を包んでくれる。


悠樹に 不満なんて 一つもないけど。


無性に 寂しくなるのは

一緒にいられる時間が 少ないから?


悠樹の負担に ならないように

気を使うことに 疲れただけ?


もっと 悠樹と一緒にいられたら…

もっと 何でも 悠樹に相談できたら…


こんなに裕福な生活が できるのは

悠樹が 忙しく 働いているからだって

私は 理解しているから。


それなのに 悠樹との時間を 求めてしまう自分の

不甲斐なさに 嫌気がさしてしまう。


私って すごく自分勝手な人間だ…


こんなに 裕福じゃなくてもいいから

いつも悠樹と 一緒にいたいとか。


毎日 定時で帰れる 仕事をして

2人で 家事や育児が したいとか。


いつも 無いものねだりばかり…


悠樹と結婚するとき こうなることを

みんなに 言われて 理解したはずなのに。


私の寂しさは 自分を責める自己嫌悪。

今の私を 私は 嫌いだから…


自分が 好きになれない自分で

悠樹や結愛に 接することは

私にとって とても辛いことだった。

 




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