贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚

月曜の朝 いつもより 遅く家を出る悠樹を

私と結愛は 一緒に 見送った。


「水曜日には 帰ってくるからね。」

「パパ。結愛が 眠る前に 帰れる?」

「うーん。頑張るよ。空港から 走ってくるから。」

「じゃ 結愛 起きて待っている。」

「お土産 たくさん買ってくるね。」

「パパ。行ってらっしゃい。」


エレベーターで 下まで送って。

悠樹の乗る タクシーに 手を振る 結愛。


「さあ。結愛ちゃんも 幼稚園の準備 しようね。」


土日の 楽しかった時間を 

懐かしく 思い出すように

結愛は 遠ざかるタクシーを 

いつまでも 見ている。


私だって すごく寂しい…


悠樹と過ごした時間が 楽しかったから

余計に 悠樹の不在が 辛くて。


結愛も きっと 同じ気持ちなんだろうなぁ。


私が 結愛の手を ギュッと握ると

結愛は 私を見上げて ニコッと笑った。


私には 結愛がいる…


結愛は 悠樹との 愛の結晶だから。

寂しいなんて 言ってられない。


悠樹が帰るまで 私が結愛を 守らないと…




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