贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚

結愛を 幼稚園まで送って

マンションに戻ると 何となく 気が抜けて。


いつもは すぐ 家事に取り掛かるのに。

私は 紅茶を淹れて 一息ついた。


今夜は 結愛と 2人だけだから。

夕食は 簡単な物で 済まそう。


悠樹がいないだけで やる気を失くすなんて

主婦失格だけど たまには いいかな。


テレビのワイドショーを 見ながら

そんなことを 考えていると

スマホから 着信音が 聞こえてきた。


珍しく 悠樹の お義父様からの 電話。

私は 少し 緊張して タップする。


「あっ。明日香ちゃん。実は今 お義母さんが 交通事故にあったらしいんだ。」

「えっ!」

「警察から 連絡が来て 今から 病院に向かうんだけど。明日香ちゃんも 来てもらえるかな。」

「はい。すぐに行きます。お義母様の容態は?」

「俺も よくわからないんだ。命には 別状ないって。警察の人は 言っていたけど…」

「私 すぐに 向かいますね。どこの病院ですか?お義父様。」


電話で 話しながら 

私は 外出の準備を 始めた。


とりあえず 病院に行ってみないと

必要な物は わからないし。


場合によっては 結愛の お迎えに 行けないから。

シッターさんを お願いすることも 考えて。


部屋の中を ざっと整えて 

私は すぐに 病院に 向かった。





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