贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚

『お仕事中に ごめんなさい。今 少し 大丈夫かしら?』

結愛を 幼稚園に送って 家に戻ると

私は すぐに 悠樹に電話をした。


『うん。大丈夫だよ。どうしたの?』

『結愛が どうしても パパとランチがしたいって 言うもんだから。悠樹さん 今日のお昼は どちらに いらっしゃるの?』

『ハハハッ。結愛がって。本当は 明日香が 俺とランチしたいんじゃないの?いいよ。今日は 一日 会社にいるから。一緒に ランチしようか。』

『嬉しい。あのね 結愛は 高層階のレストランが リクエストなんだけど…』

『何でも 結愛のせいにして。明日香は ズルいなぁ。わかった。今から 予約しておくよ。何時に来られるの?』

『結愛のお迎えが 11時半だから。ちょうど お昼頃には 戻るわ。』

『たまには こんな風に 一緒にランチするのも いいね。』

『本当? おねだりした 結愛に 感謝ね。』


私は 悠樹との 電話を切ると 

美容室に セットの予約を入れた。


結愛を 迎えに行く前に

髪をセットして… 服装は…

ランチだから 控え目な ワンピースにしよう。


朝の憂鬱を 忘れてしまうくらい

弾んでいる心を 少し 持て余して。


結局 私は 悠樹次第なのかな…


こんなことで 気分が 明るくなる自分が

少し 可哀そうになってしまう。








< 7 / 90 >

この作品をシェア

pagetop