ずっと、そばに

「偉いな。使う道具は見ると少し怖いかもしれないから目隠しするね 」


「…うん 」


「じゃあ、糸抜いていくから動かないでね 」


タオルを目に当てられると


ハサミで何かを切るような音がした。


引っ張られるような感覚も地味に痛くて、ビクって体が動いてしまう…


「いやぁ…グスン」


「陽菜、動かないで。すぐ終わるから深呼吸だよ 」


いったん手を止めて、優しく声をかけてくれた。


「あと少し、頑張れそう? たくさん泣いてもいいから、顔は動かさないでジッーとしてね 」


「うん…ごめんなさい 」


「いや、俺の方こそ痛くしてごめん…
なるべく早く終わらせるからな 」



再び、肌が引っ張られるように痛んで

ベットのシーツを握りしめて耐える。




「終わり。陽菜が動かないから上手にできたよ。よく頑張ったな。傷口もキレイにふさがっているから安心して 」


翔馬はそう言いながら、消毒をしてくれた。


恐怖の時間が終わり、緊張が解けると、疲れが一気に押し寄せてきた。






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