ずっと、そばに

「ほら、指切り」


「えっ…? 」


「絶対ありえないけど、もし俺が陽菜と離れるなんて言ったら、針千本飲ませても良いから 」


翔馬に手のひらを持たれて、されるがままにしていると

小指と小指が絡み合う。


手がすごく温かくて、

それが本当に嬉しくて嬉しくて、言葉も出ない。












でも、そんな時に

なんで今なのってタイミングで

心臓がものすごく痛くなる。



指が離れた後、


翔馬の胸の中に飛び込みたいと思ってたのに、


呼吸がしづらくなって

バクバク脈が暴れ出す。


「はぁはぁ… 」


「陽菜、大丈夫? 心臓痛い?落ちついて深呼吸して 」


急に医者の顔になり、ナースコールで何かを言ってから

聴診器を当てる翔馬。


きっと真剣な顔をしているのだろうけど、

実際の表情は視界がぼやけてきてわからない。



私もどうにか、治まらないかと

胸の辺りの服をギュッと握る。


それでも、、さらに痛みは激しくなるばかりで…





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