ずっと、そばに

「うっっ、ヒック 」

涙が溢れてきてもう前は見えない。


迷惑なんてかけたくない。


邪魔ものにされるのも嫌。


そんな扱い受けるなら


死んで何も感じなくなりたい。


けど、本当は。



心配してほしい。 もっと構ってほしい。

『いてくれてありがとう』

そう言われたい。

ってずっと心の底にそんな気持ちを隠していた。



私には優しくされる権利なんてないって、諦めていた。


でもっ、必死に叫んで、

私の名前を呼ぶ翔馬先生をみるとそんなワガママな気持ちがどんどん膨れ上がってくる。


もう少しだけ、甘えさせて…

患者だからって理由で、良いから。


迷惑かけておいて身勝手だし

こんな悪い患者は怒られちゃうかも。


それでも、翔馬先生はこんな寒い夜に外を
探してくれているんだもん。

自分の都合の良い想像かもしれないけれど、ほんの少しくらいは心配してくれているんじゃないかって…

期待してしまう。


「翔馬先生っ、ここにいるよ。ごめんなさいっ 」


気がつくと身体が勝手に動き

翔馬先生の背中に抱きついていた。


< 49 / 171 >

この作品をシェア

pagetop