ずっと、そばに

仮病、ばい菌。そんなイタズラ書きも


あちこちから、飛ぶ非難の声も辛すぎる。


担任の先生が来ると、私への悪口は止まるけど、


嫌な言葉が耳に残り、見えないナイフで心をグリグリされているかのように痛い。


涙を堪えるのが精いっぱいで、もう何も考えられないまま、授業が始まってしまった。


1時間目は苦手な数学。


チョークで黒板を書く音もするけど、内容もサッパリ…


ノートも教科書も破られたり、楽書きされているから
何も机の上に出さないで、授業をやり過ごそうとしてしたけど、バレてしまった。



「秋元、何、教科書も見ないでボッーとしてるんだ !
教科書③の問題前に出て解きなさい !」


50代くらいの男の数学教師は睨みつけるように私を見てきた。


「………………忘れました 」


ボロボロの教科書なんて机の上に出せないよ…
第一ビリビリに引き裂かれているから見たところで、内容なんてわかる訳ない。



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