誘拐は激甘生活の始まりVI
「やっ!離してください!」

リオンの無表情な顔や力が入っていく手が怖くなり、杏菜は必死で抵抗しようとする。しかし、杏菜の両腕は頭の上で一つに固定され、抵抗できなくなってしまう。

「ねえ、杏菜……」

リオンに頬を撫でられ、杏菜の体がびくりと震える。リオンは杏菜をジッと熱のある目で見つめる。

「俺、本気で杏菜のことが好きなんだ。俺と結婚しよう」

リオンの言葉に杏菜は首をゆっくりと横に振る。リオンにはとても優しくされている。しかし、胸が高鳴って止まないのはリオンではない。

「……やっぱりそうなんだ」

リオンの目に様々な感情が生まれていく。杏菜は恐怖から拘束されている腕に力を入れてみるが、身動きが取れることなどなく、むしろますますリオンに拘束されていった。

「杏菜、愛してる。俺が幸せにしてあげる。兄さんから無理やりにでも……」

震える杏菜にリオンは顔を近づけていく。ダミアン以外に触れられるなど嫌だ。杏菜は涙をこぼして「やめてください」と言うが、リオンはやめようとはしない。
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