今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「せ、な先生……も、無理……」
キスに慣れていない私は……やはり、ギブアップ。
「悪い、さすがに激しかったか」
「……そう言いながら、瀬那先生ニヤけてますよ」
「あ、バレた?いや、頑張ってキスに応えてる呉羽を思い出すとつい……」
「思い出さないでください……っ」
瀬那先生からのキスの嵐に必死に応えていた私なんて、恥ずかしさの塊でしかない。
それなのに、瀬那先生は……。
「俺の彼女なんだから、好きなときに好きなだけ呉羽のこと思い出すよ」
こんなことを恥ずかしげもなく言い出す。
これからは、私の知らないところで瀬那先生が私のことを思い出すときがあるんだと思うと……この先の私の心臓がもつか心配だ。
そして、はっきりと聞こえた"彼女"というワードが耳から離れない。