今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


下駄箱でも、4人という空間は久しぶりで変な感じがした。



帰る方向も一緒ということで、4人で帰ることになった。



「蛍、嫌だったら断るよ?」



前を歩く伊吹くんと門奈くんには聞こえないように、小さな声で蛍の耳にささやいた。



蛍は「もう大丈夫。ありがと」と笑った。



最初こそ気まずそうな蛍だったけど……自然と伊吹くんと前のように話している姿を見て、私は安心した。



まっすぐ家へ帰る予定が、新しくできたドーナツ屋さんの前を通ったら想像以上の美味しそうな匂いがしたので……満場一致で4人で入ることに。



中学の話で盛り上がり、気がつけば日も暮れ、時間は6時になっていた。



「そろそろ帰ろうか」



門奈くんのその一言で帰り支度をしていると……伊吹くんの電話が鳴った。

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