浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~

 そ、そんな……!!
伊波さんの真相は、酷く衝撃的で悲しいものだった。
 そんなの酷い。全て赤薔薇会が仕組んでいたなんて

「な、何でそんなことを……?」

「そんなの簡単だよ。アイツらが邪魔で目障りだったからさ。
 だが簡単には消すなんて面白くない。
効率的に利用して相手を追い詰める。
 そして必要なくなったオモチャは、もっとも屈辱的な
思いにさせてから消す。それが赤薔薇会のやり方だ!」

誇らしげに語る赤羽を見て俺は、正気か?と思った。
 普通の神経じゃない。やり方は、最初から
冷酷でも人を人だと思っていない。これほど酷いとは……。

「君は、おかしいよ。そんなの普通じゃない」

「……そうだね。普通じゃない。いや……僕ら一族は、
神をも統べる力を持っている。普通になる必要性もない。
 フフッ……でもさ。その普通じゃない一族の血を
君も流れているんだよ?半分ね……立花駆君」

 はぁ?何を言っているんだ?急に……。
赤羽は、何もかも見透かした目で俺を見てきた。
 怖いぐらいに綺麗で逆らうことが出来ない恐怖感が襲ってくる。

「何を言っているんだ……?」

「君ってさ……赤ん坊の頃に親に捨てられたんだろ?
 施設の前に。実はさ。僕に弟が居るんだよ。
と言っても異母兄弟なんだけどね。
 昔父に教えてもらったんだ。強い遺伝子を残すために
俺の母以外にも数人の女性と関係を持っていたって。
 その1人の女性が妊娠して男の子を産んだ。だが、
自分の子を赤薔薇会に継がせたくなかった彼女は、
逃げ出し施設の前に捨てたらしい。
 そのことに気づき捜し宛てた頃には、自ら命を落としたらしいが
そのお陰で弟が見つからなくなった。捜したよ……」

違う……そんな訳がない。

「で、数年後に神崎君のそばで働いている君を見つけた。
 興味本位で君のことをプロフィールを調べている内に
誕生日や血液型が同じだと気づいた。
 それで伊波の弟と近付き君の髪の毛を頂戴した。
 そうしたら……予想通りだった。DNAで君は、
俺の弟だと判明したよ」

 違う、違う。そんなの信じない。信じたくない。
俺は、必死に否定する。
 しかし赤羽は、さらに不敵な笑みを溢した。

「嘘だと思っているだろ?本当だよ。
 これが証拠だ。父の細胞と君の髪の毛をDNAしたら
99%実の親子だと判明している。よく見てみて」

 赤羽は、俺にDNAの紙を見せてきた。
そこには、99%という数字がハッキリと書かれていた。
 そんな……俺が赤羽の血を引いているなんて……。
あまりのショックで頭が真っ白になっていく。

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