世界が終わるとき、そこに愛はありますか
違う…っ。


あの深景さんの態度はそんなんじゃない…っ。


「なんで涼まで唯さんを庇うの?唯さんは─」


『雪花ちゃん!俺はどっちの肩も持ってない。決めつけるなって話をしてるだけだ。たしかに唯ちゃんが仕組んだ可能性はある。でも、そんなのまだわかんないだろ?』


なんで分かってくれないの─。


涼はさっきの深景さんを見てないからそんなことが言えるんだ。


「あたしは…深景さんのことを信じられない。このまま待ってるだけなんて絶対に─」


─ガッ


持っていたスマホの重みが突如消えた。


─ツーツーツー…


電話が切れる音。


振り返ると、お風呂上がりの深景さんが立っていた。


凍てつくような視線であたしを見下ろす。


「悪かったな。信用できない男で」


「深景さ…」


昨日怒られた時とはまた違う、心が芯から冷えきるような冷たいオーラ。


あたしのスマホを乱暴にテーブルに置き、何も言わずにこっちを睨む。


何も言えなかった。


怖くて、じゃない。


二人の間に亀裂が入ったことを確かに感じたから──
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