世界が終わるとき、そこに愛はありますか

旅行

─12月24日


「…明日…クリスマスだ」


1年の中で1番嫌いな1日がやってくる。


「気分転換にどっか出掛けるか」


「え?」


空耳…?


今、深景さんから誘われたような……。


「お前が嫌ならいい」


「い、嫌じゃない!行きたい!」


気のせいじゃなくて、本当に誘ってくれてるんだ。


初めてだ。


嬉しい…。


「どこ行きたい?」


穏やかな表情で聞いてくれる深景さんに胸がドキドキする。


勘違いしちゃいけないのはわかってるけど、セフレから一歩進歩したように感じた。


「深景さんが行きたいところがいい」


「わかった。行くぞ。準備しろ」


「え!?今から?」


そんなに急に言われても心の準備が…。
< 334 / 490 >

この作品をシェア

pagetop