世界が終わるとき、そこに愛はありますか

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気まずさを感じさせない深景さんの気遣いの中、車移動をすること数時間。


「さっきからどこに向かってるの?もうこの辺りは何もなくない?」


何もない山道を進んでいるだけ。


いったいどこに向かっているのか。


「…俺からのクリスマスプレゼント。そのうち分かる」


深景さんは、そう言ってクールな笑みを浮かべた。


「……ねぇ、深景さん。1つ聞いてもいい?」


「ん?」


聞くに聞けなかったこと。


…華さんのこと。


「…華さんって…犯人だよね」


時が止まったような静寂。


音一つない世界。


エンジン音すら静寂に呑まれている。


「…教えてよ、深景さん」


涼も唯さんも折り返してくれないから、深景さんに聞くしかない。


最後の頼みの綱なんだ。
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