切ないほど、愛おしい
「いつ見ても優しい小児科医よね」
窓際に立つ私の後方から、少し棘のある声が聞こえてきた。
「そうですね。子供達にも人気があって、いつも囲まれていますから。えっ?」
思わず返事をしてしまってから、慌てて振り返る。
そこにいたのは産婦人科の馬場先生。
私の指導医で、体調不良で使い物にならなくなった私の代わりに呼び出された先輩。
「あの・・・」
せっかくの日曜を、私のせいですみません。
そう言いたいのに、先輩から出るオーラがあまりにも暗くて言葉が止った。
そりゃあね、産科医なんて昼も夜もない仕事をしていれば日曜の休みは本当に珍しい。
5歳年上の馬場先生は新婚さんのはずだから、せっかくのお休みを旦那さんと過ごしていたに違いない。
つい先日救急で患者の旦那さんに詰め寄られて迷惑をかけたばかりなのに、またやってしまった。
不可抗力とはいえ本当に申し訳ない。
「案外元気そうじゃない」
私を見下ろす優しさのない声。
「すみません」
もう謝る言葉しか出てこない。
窓際に立つ私の後方から、少し棘のある声が聞こえてきた。
「そうですね。子供達にも人気があって、いつも囲まれていますから。えっ?」
思わず返事をしてしまってから、慌てて振り返る。
そこにいたのは産婦人科の馬場先生。
私の指導医で、体調不良で使い物にならなくなった私の代わりに呼び出された先輩。
「あの・・・」
せっかくの日曜を、私のせいですみません。
そう言いたいのに、先輩から出るオーラがあまりにも暗くて言葉が止った。
そりゃあね、産科医なんて昼も夜もない仕事をしていれば日曜の休みは本当に珍しい。
5歳年上の馬場先生は新婚さんのはずだから、せっかくのお休みを旦那さんと過ごしていたに違いない。
つい先日救急で患者の旦那さんに詰め寄られて迷惑をかけたばかりなのに、またやってしまった。
不可抗力とはいえ本当に申し訳ない。
「案外元気そうじゃない」
私を見下ろす優しさのない声。
「すみません」
もう謝る言葉しか出てこない。