切ないほど、愛おしい
救急外来を受診することも考えていた私に、
「病棟においで、何なら僕が産科に行こうか?」
と、山神先生は軽い口調で言ってきた。
「いえ、私が行きます。部長に報告してから行きますから少し待ってください」
「やっぱり僕が向かった方が早くない?」
「いいえ、私が行きますから」
山神先生に往診なんかされたら、また大騒ぎになってしまう。
今回は念のための受診だし、きっと入院なんて話にはならないはずだから、できるだけ穏便にすませたい。
自分が診察に行くという山神先生をなんとか説得し、私は部長に電話をしてから小児病棟へ向かった。
産科病棟と小児病棟は同じ本館の3階にある。
西棟と東棟に別れてはいるが、廊下で繋がっているため距離的にはとても近い。
それでも産科病棟を出れば、私は医者から患者に戻る。
白衣を脱ぎ小児病棟の入り口を入ることで、不安な気持ちになってしまう。
もしかしたらこのまま入院になるかも?
もしかしたらこのまま病院を出られないかも?
そんなはずはないと分かっていても、不安な気持ちは消えることはない。
トントン。
処置室と書かれた扉をノックすると、
「はーい」
山神先生の声が聞こえてきた。
「病棟においで、何なら僕が産科に行こうか?」
と、山神先生は軽い口調で言ってきた。
「いえ、私が行きます。部長に報告してから行きますから少し待ってください」
「やっぱり僕が向かった方が早くない?」
「いいえ、私が行きますから」
山神先生に往診なんかされたら、また大騒ぎになってしまう。
今回は念のための受診だし、きっと入院なんて話にはならないはずだから、できるだけ穏便にすませたい。
自分が診察に行くという山神先生をなんとか説得し、私は部長に電話をしてから小児病棟へ向かった。
産科病棟と小児病棟は同じ本館の3階にある。
西棟と東棟に別れてはいるが、廊下で繋がっているため距離的にはとても近い。
それでも産科病棟を出れば、私は医者から患者に戻る。
白衣を脱ぎ小児病棟の入り口を入ることで、不安な気持ちになってしまう。
もしかしたらこのまま入院になるかも?
もしかしたらこのまま病院を出られないかも?
そんなはずはないと分かっていても、不安な気持ちは消えることはない。
トントン。
処置室と書かれた扉をノックすると、
「はーい」
山神先生の声が聞こえてきた。