初恋のキミに、さよならを【番外編】
【美咲 side】
ーー1月1日。
新たな年を迎えた。
コートを羽織った私は、大好きな彼の元へ向かう。
りくに、早く会いたい。
中学最後の冬休みなのに、受験生ということあって、毎日勉強の日々。
りくも猛勉強をしていて、なかなか会えずにいたのだ。
「ごめん、待った?」
約束の時間より10分前に来たのに、りくはいつも早い。
「ううん。今、来たところだから」
本当は待っていたと思うのに、そう言ってくれる。
「美咲、新年明けましておめでとう!」
「こちらこそ、新年明けましておめでとう! 今年もよろしくね」
「こっちこそ、よろしく。じゃあ、そろそろ行くか」
「うん!」
差し出された手に自分の手を乗せる。
辺りは雪がぱらついていて少し寒いけど、繋がれた手はとても温かい。