きみに ひとめぼれ

最初に坂井さんの近くにいたのは僕だった。

その時からずっと、僕は彼女を見てきた。

なのに、坂井さんの目に、僕は映らなかったのだろうか。

どうしてあいつなんだろう。

あいつの隣には、いつも僕がいたのに。

どうして僕のことは、見てくれないんだろう。

出席番号だって、僕もあいつも、坂井さんと前後じゃないか。

僕もあいつも、同じサッカー部じゃないか。

僕もあいつもイケメンじゃないし、存在感も薄いよ。

それなのに、どうして……。

どうしてズレてしまったのだろう。


テストの席も、生物のグループも、修学旅行も……。



__修学旅行……。



僕は彼女と肩を並べながら、最近の思い出なのに、遠い記憶のように感じる修学旅行のことを思い出していた。


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