カタオモイ同盟
なのに、いつまで経っても、どれだけ待っても、王子様が現れることはなかった。
「お前にはそれがお似合いなんじゃないっ?」
──バシャッ。
ユカリが、バケツの中の水を思い切り私に向かってかけた。
何日も放置され、汚く濁った水からは、鼻をつまんでも異臭がする。
芽瑠がクスクスと嘲笑う。梨花がスマホを構える。
クラスメートは見て見ぬ振りして、そそくさと教室から出て行った。放課後、こんな状況では、誰にも助けを求められない。
助けてくれる人なんて、元々いなかったけれど。
「あーあ、濡れちゃったね。これで拭いとけば?あはは!」
芽瑠が投げた埃まみれの雑巾が、私の顔面に当たる。その衝撃で埃が舞い、咳き込む私。大きくなる笑い声。
──まるで、シンデレラと、意地悪な継母みたい。
しばらくすると、三人は帰って行った。楽しそうに、今日はどこへ寄ろうか、なんて話しながら。
……私から奪ったお金を握り、ボーナスが手に入った、なんて笑いながら。
その輪の中に、この前までは私もいたはずだった。
確かに、いたはずだったんだ。