無気力さんと同居するらしい


「…」

き、気まずい

気まずすぎる

なんでなんにも言わないのおお


「…えっと、ご飯作るね」

なんとかして逃げようとテキトーにそう呟き

真琴くんの横をすり抜けようとした時

「待って」

なんとなくわかっていたけどグッと腕を掴まれて止められる

強引に引っ張られ、鞄を落とす

くるっと向きが変わり、廊下の壁に背中がつく

その横に真琴くんの両手


あ、これはあれだ

壁どおん


じゃなくて!

なに!?
何これ!?

「え、あの、真琴くん?」

「…」


「どうしたの?」

「…こたえたの?」

へ?

「なんてこたえたの?」

こたえ…って

えっと返事はしてないけど

「まだ、返事は…できてないかな」

「…なんて答えるの?」

いやだからまだ考えてないって事なのよ
汲み取りなさいよ

「これから考えるの」

「断る方法を?」

なんで断る前提なの!?

どうしちゃったの真琴くん
いつも以上に変だよ


「断ってよ」

へ?

ボソッと消えそうな声でそう言う

「…だって、もし梓に彼氏できたらここで暮らしにくいだろ」

「え、あ…それは」

まあたしかに…そうだね

「だから断って。ちゃんと」

「…いやでも」


蒼馬にとってこれは

きっと一世一代の告白で

こちらの事情で簡単に断ることなんてできない

そのくらい蒼馬は私にとって大切な人だ

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