無気力さんと同居するらしい
よし
「あ、あの」
ボソリと呟いた私の方をゆっくりと見る織原真琴くん
あれ?なんか瞳に輝きがない
いや気のせいか。ていうか家だもんね
よし
「急な話なのに受け入れてくれてありがとうございます。…えと」
「…」
な、何か言ってくれ
泣くぞ?そろそろ
高校生がガチで泣くぞ。いいのか?絵面的に
「よ、よろしくね」
「…」
「…」
…
よし泣こう
「あんた名前なんだっけ」
え?
取り乱そうとした矢先、無愛想な声でそう尋ねられる
「天宮…です」
あれ?私ちゃんと自己紹介したよね
聞いてなかったの?
ていうか、同居相手の名前くらい覚えておいて欲しい
「違う」
…え
違うの?
私の名前天宮じゃないの?
十数年、天宮でやってきたんだけど
「下」
…え?
「下の名前」
「え、あ、梓です」
「…」
え…下の名前ってそういうことだよね?間違ってないよね
なんで聞いておいて無視?
どうしようこの人わからない
あれ?待てよ
もしかして私の知ってる織原真琴くんじゃない?
いや、見た目は2人といないような美少年なんだけど
もしかしたら…そっくりさんの可能性もなきにしもあらず…