無気力さんと同居するらしい


「…なあ」



蒼馬!?

いつのまにか私たちの隣に来ていた蒼馬

いつ来た!?気配した!?

昨日の今日で顔を合わせづらい…


「…これなに」

蒼馬があたりを見回して低い声で言った

「なんで梓と織原の話が出回ってんの」

うっ……
そ、蒼馬さん…なんつー顔してんの

般若だよ般若

「…そ、蒼馬?」

「何があったんだよ」

えっと…

「話は私が聞いたわ、あんたは用済みよ」

ゆいかぁ!?

「…」


結花の言葉がなんかすでにキレそうな蒼馬の逆鱗に触れてないか心配したけど

私にはわからない二人のアイコンタクトによる会話が行われたようで…

蒼馬が静かに頷いた

何だこの二人の見えない連携の良さ


「…くそ、今さっき会ったのに」

席に座った蒼馬がボソリとつぶやいた

「心配しなくていいよ。蒼馬も結花も。私たちの不注意のせいだし…」

そう私の…
不注意…?

自分で言った言葉に疑問を持つ


いや、なんで学校で堂々と話せないんだろう

おかしな話だよね
そんなに周りの目って大事かな?

そんな自問自答でしんみりしてしまったせいか

二人の目つきがギラっとなった気がした


蒼馬が徐に鞄を置き、私を見る

「織原って何組」

え?

「1組…だった気がする」

けど…何しに行くの?
ねぇ、何しに行くの?

「ちょっと…」

ちょっと!?
ちょっとってなに!?

待って蒼馬!


私の想い虚しく大股で教室を出て行った蒼馬

「…蒼馬…真琴くん殺したりしないよね」

「…否定はしないわ」

うそやん…

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