誘拐屋の寵愛

「あんたが遅刻してきたせいで、こっちは大迷惑してんのよ！あんたの仕事までしなくちゃならないんだから！」

「上の人のお気に入りだからって調子乗ってんじゃねえよ！」

「あんたなんかいなくなったって誰も気にしないから。だって、あんたろくに仕事もできないもんね〜？」

社員に散々嫌味や悪口を言われた後、オリビアは疲れた足を引きずるようにして自分のデスクに座る。すると、お局たちが「これ夕方までにやっといてね！」とお局たちの仕事であるはずの資料作りや書類をまとめる作業を押し付けていく。あっという間にオリビアのデスクの上は書類の山となった。

「それでね、あそこの家の奥さん旦那と離婚したらしいわよ。慰謝料はなんと！三千万ですって！」

「ヤダ〜！不倫なんてするもんじゃないわよね〜」

オリビアが真っ青な顔で仕事をしている間、お局たちは優雅に仕事をサボって談笑している。中には家から持ってきたのであろうチョコレートを食べている人もいた。