ゼツボウカクレンボ
「もーいーかい!」

「まーだだよ!」

廃墟になった学校に,その声だけが響いた。

鳥の鳴き声くらい聞こえても良いくらいだけど,ここは何も聞こえなかった。

ここは立ち入り禁止の場所。

しかも,今の時間帯は夜だし,私達以外,誰も入ろうとは思わないだろう。

私は男の子の言葉を思い出した。

1 自分と消したい人は隠れる人になる事。

2 誰にも見つからない場所に2人で隠れる事。

3 消したい人と自分以外,全員見つかっている事を確かめる事。

4 消したい人を指さしながら,あの言葉を言う事。

場所はここ,廃墟になった学校で上のことを守って,かくれんぼをする。

そうすれば…錫斗は消えてくれる!
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