ゼツボウカクレンボ


「かくれんぼ,始めよう!」

そう言い出したのは私ではなく,意外にも錫斗だった。

自分で自分の首を締めるなんて,馬鹿みたい。

「うん,始めよう!」

私はにっこりと笑って,彼の意見に同意した。

「グーとパーで別れましょ!」

みんなで声を合わせて言った。

パーが出たら隠れる人,グーが出たら見つける人で,私はもちろんパーを出しまくった。

錫斗を観察してみると,彼もずっとパーを出していた。

こんなにうまくいくと思っていなかったから,心底すごくびっくりした。

うまく行きすぎて怖いくらいだ。

「別れたよ!」

私と錫斗とその他の3人は隠れる人。
由紀とその他4人は見つける人となった。

私は心の中でガッツポーズをした。
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