ゼツボウカクレンボ
「由紀〜!!
早く行こうよー。忘れ物?」

「うん…何か忘れてる気がするんだけど…気のせいかな…?」

「気のせいだよ〜!
それにしても,ここ怖いから早く行こうよー!!」

「…うん。そうだね。」

そんな様子を死神様は見届けて,静かに静かにため息を溢しました。

“残念”

死神様は本気でそう思っているのです。

人間には死んで欲しくないし,生きていて欲しいのです。

でも,命令なのだから仕方ありません。

残念ながら,まだまだ世のために消えなければならない人間がいます。

そのことに,死神様は心から悲しんでいるのです。
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