【短】君のヤキモチで、
「吉岡!」
3-6の教室札が見えてきた時、聞き慣れた声が私を呼んだ。
振り向けば同じクラスの好岡がいた。
やや小走りに近付いてくる好岡に軽く手を振った。
教室4個分のそんな大した距離でもないのに、私に駆け寄ってきた彼は随分遠くから走ってきたかのように息切れしてる。
「どうしたの」
「っ……ハァ、っ……ちょ、ごめ……っ」
「いいよ。ちゃんと呼吸整えてからで」
ほんとに走ってきたんだ。
と思いつつ、ハフハフと呼吸を整える好岡に笑みを浮かべた。
「なに笑ってんだよ〜。いやぁー、疲れた!めっちゃ走ったわ〜」
「だろうね。てかなんで走ってきたの」
「あー……」
困ったように笑う好岡に首を傾げるとほんの少し視線を逸らされた気がした。